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「私としては夢としての記憶なんですよ。感覚としては、そういう夢を見たっていう」
だがそれは現実世界で起こしたことだった。
逮捕から判決までのなかで、精神鑑定を受ける選択肢があった。弁護士からは無罪を勝ち取れるかもしれないからと勧められたが、拘留期間が数ヶ月延びると聞き、康祐は拒否した。自分が不在だと、愛娘がネグレクトを受けている可能性が高いためだ。愛娘を守るためには、一刻も早くここから出る必要がある。
判決は懲役2年、執行猶予3年――。警察の思惑通りの供述をした康祐は有罪になった。
なぜ彼も奇行を働いたのか? 診察の結果は…
後に康祐は精神科医の診断を受けた。
統合失調症だった。図らずも朋美と同じ道を辿ってしまったのだ。康祐は、統合失調症の影響かどうかはわからないが「自分でも訳のわからない行動をとってしまっていた」と続けた。確かなのは、このとき康祐は、自殺も選択肢にあるほど追い込まれていたということだ。
ここからオラクルカードによる絞殺事件に繋がる理由は、朋美がこのころからスピリチュアルに傾倒していたことが大きい。朋美は、スピリチュアル関係の本にアレコレと手を出し、いつしかその権威として知られる美輪明宏を、何者にも代えがたい絶対的な存在として崇拝するようになっていた。
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