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母親の恋人は当初、親切な人というイメージだったが…

――母親の交際相手に対して、最初はどういう印象を持ちましたか。

橋本 卓球サークルにいるときは、“シュッとしたおじさん”という感じでした。親切な人、というイメージもありましたね。

 だから、母に「この人が新しい彼氏です」と紹介されたときも、とくに不信感を抱かなかったし、当然、幼児性愛的なものがある人とも思わなかった。

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――最初は挙動不審な行動もなく?

橋本 当初は家に兄がいて、男性の目がある状態だったから、それがひとつの抑止力になっていたと思うんです。

 でも、おじさんが家にくるようになってから、兄が家出をしてしまうんですよ。

 

1歳上の兄が急に家出してしまったワケ

――急にいなくなった?

橋本 ある日、母親が仕事でいないときに、家から出て行ってしまって。私とコタツに入ってテレビを見ていたのですが、私が寝てしまって。そのすきにいなくなったんです。

 私は起きてから兄がいないことに気づいて、彼の部屋を見に行ったら、もぬけの殻になっていて。小学校に持っていく教科書とか、自分の好きなマンガとかも全部なくなっていたんですよ。結局、兄は母方の祖父母の実家に行って、そこで暮らすようになりました。

――祖父母の実家なら、「お母さんが心配しているから家に帰りなさい」となるのでは?

橋本 祖父母は、母親に恋人ができたことをよく思っていなかったから、「あの家に帰るなら、ここで暮らしなさい」となって。それから母の実家と関係が悪くなり、絶縁状態になりました。

 兄はある程度の年齢になってから、友だちやパートナーの家を転々としてたみたいですけど、私たちのもとには二度と戻ってこなかったですね。

 

息子に家出された母親は「死にたい」と…

――母親の交際相手がイヤで家出をしたのでしょうか。

橋本 そうだと思います。兄はすごく優秀で周囲から期待されていたから、父がいなくなったあとは「自分が母と妹を守らなきゃ」と責任を感じていたはずです。

 でも母親にすぐにパートナーができて、彼の中で何かが崩れてしまったんじゃないかなと。