Nintendo Switch 2にないものは…
Nintendo Switch 2の何が気になるかといえば、「順当な進化」としか言えない点だ。
任天堂のゲーム機は、新しい遊びを提供しているがゆえにユーザーを驚かせる。Wiiが発表された時、リモコンを振る操作方法を奇妙なものだと思ったが、むしろそのカジュアルさが世界中でウケた。ニンテンドーDSのダブルスクリーンやタッチ操作も、意外であると同時に活用できるゲームが多かった。家庭用据置型テレビゲーム機でありながら持ち運びもできるNintendo Switchのハイブリッド機能は、発表当初こそ不安視する声も大きかったが、いまや一種のスタンダードとなり、ポータブルゲーミングPCというジャンルすら生まれている。
ハードに搭載された新たな特徴に応じた、新鮮な遊びを用意するからこそ任天堂のゲームは支持されるわけだが、時にそれが伝わらないことがある。
ニンテンドー3DSの立体視は確かに驚くのだが、すぐに使わなくなってしまったプレイヤーも少なくないだろう。Wii Uのコントローラーをモニターにしてしまう作りは確かにすごいしいろいろな作品で活用されたのだが、驚くほどコケた。
結局のところ、インパクトがあるうえに、ゲームを遊ぶ際に役立ちつつ、それでいて扱いやすい仕組みがあると任天堂の新ハードとしてベストなのだが、Nintendo Switch 2に関してはそうした路線とは違う。少なくとも発表時点ではこれといったインパクトがないのだ。
あるとすれば、新しいコントローラーを縦にして滑らせている部分だろう。この詳細はまだ明かされていないのだが、コントローラーをマウスのように扱えるのではないかと予想されている。
そうだとしたらインパクトに欠ける。そもそもNintendo Switchもマウスは接続できるし、PCでは極めてありふれた操作だ。これで何か新しいものが生まれるだろうか?
「Nintendo Switch 2」という名称も、Nintendo Switchとの差別化に苦労しそうだ。ゲームに詳しくない人はマイナーチェンジ版だと思ってしまう可能性がある。
あるいは、任天堂のゲーム機は低年齢層も欲しがるわけだが、すでにNintendo Switchを持っている子供が親に対し、Nintendo Switch 2との違いを明確に説明できるだろうか? ましてや今回はNintendo Switchのソフトをプレイできる互換性があるので、一緒くたにされかねない(それこそWii Uのように)。