「Nintendo Switchで最も売れたゲーム」を再現できるか
もうひとつ気になるのは、過去ハードの財産を新作として使えない部分にある。Nintendo Switchのゲームソフトは13億本以上も販売しており、爆発的に売れたわけだが、なかでも最も人気を集めたゲームソフトは『マリオカート8 デラックス』である。これはWii Uで発売された『マリオカート8』の要素追加版だ。
これ以外にも、Nintendo SwitchではWii Uのゲームソフトに要素を付け加えて新しい作品として発売している。『スーパーマリオ 3Dワールド+ フューリーワールド』や『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』がそれに該当する。
Wii U自体があまり売れなかったこともあり、要素を追加して販売することでNintendo Switchのタイトルラインナップを充実させることが可能だった。それどころか、最も売れるソフトまで生み出せてしまったのだ。
ところが、Nintendo Switch 2では事情が異なる。互換性があるためNintendo Switchのソフトがふつうに遊べてしまう。場合によっては、完全新作が縦マルチ(ゲーム機の世代を新・旧またいで複数のハードで同時発売されること)もありうる。
たとえばポケモンシリーズ最新作『Pokémon LEGENDS Z-A』は、発表時点ではNintendo Switchで発売されると明らかになっていた。もし今後Nintendo Switch 2のみになるような変更がなければ、どちらでも遊べるのだろう。となると、当然ながらNintendo Switch 2だけの強みは失われてしまう。
もちろんNintendo Switch 2はスペックアップすると思われるので、同じゲームだとしてもより快適に遊べる可能性はあるだろう。ただし、より性能の高いものを求める人は一部に過ぎない。他社のゲーム機の話になるが、PlayStation 4の場合は上位バージョンのPlayStation 4 Proを購入したユーザーは約20%だったという。