主人の様子に異変が起きているのに気づき始めたのは、2013年10月ころからでした。長年やってきたデザインの仕事に対して、「もしかしたら向いてないんじゃないだろうか」など、卑下する発言をするようになりました。記憶力も低下しました。家庭で、何日か前に自分が話していた内容を、忘れてしまったりしました。
また、たびたび、不安そうな、罪悪感に悩まされている様子でした。マイナスの思考や感情に陥っているようで、話しているうちに突然泣き始めたり、震えが止まらなくなったり、激昂してわめくなど感情がコントロールできなくなっていました。性格にも変化があり、謝らなくても良いことまで自分のせいにして謝るようになっていきました。
「ウウウ…アアー」と悲鳴をあげて飛び起きる
もともと趣味人の主人は、本来なら仕事を終え家でゆっくりする時間には、映画を見たり、音楽を聴いたり、絵を描いたり、映画や漫画やアニメの話をしたりすることが好きだったのですが、このころから、趣味にかける時間もほとんどなく、趣味に対する欲自体が無くなってきて、「自分が自分ではなくなっていっているようで怖い」と漏らしていました。
2014年3月ころから、寝室で眠っている主人が、深夜や明け方に、「ウウウ……」と苦しそうにうなされていたり、何か恐ろしいものから逃げるような、「アアー、アアー」というかすれ声で悲鳴をあげたりするようになりました。大声でわめいて飛び起きたりすることも、たびたびありました。目を覚ました主人に「どうしたの? 大丈夫?」と聞くと、主人は「悪い夢を見た、会社の」と答えましたが、思い出すのも辛い様子でした。
2014年6月下旬から、主人の様子はいよいよ異常に見えてきました。食欲はますます落ち、少しずつ衰弱している様子でした。また、「消えたい」「死にたい」という言葉が会話に出てくるようになっていました。毎日車で迎えに行っていた駅で、少しでも主人が駅から出てくるのが遅かったりすると、「死にたい」と言っていたことが脳裏をよぎり、ホームから飛び込んだりしたのではと胸騒ぎがして、何度もメールをしたり電話したりしました。