毎朝、主人は駅で通勤電車から降りて会社まで歩く間、電話で私と話しながら歩いていたのですが、このころ、その電話で主人が、「このまま自分が会社に行かずに消えたら、どうなるかな。会社の人たちはどうするだろう?」と話しました。

またある日、「自分が死ねば生命保険が降りるし、団体信用保険で家のローンが帳消しになって、資産を遺せるよね」という話も始めました。私は、主人が本当に自殺してしまうのではないかと思いました。

突然大泣きする夫は自殺の一歩手前だった

2014年6月26日の晩、帰りの電車で眠ってしまい一駅乗り過ごした主人を、駅まで車で迎えに行きました。駅に着くと、主人は駅入口の階段に腰掛け、ぐったりとうなだれていました。主人を車に乗せ走り出すと、主人は車の中で突然大泣きし出しました。

ADVERTISEMENT

別に、私から何か責めたり問いただしたりした訳ではなく、突然大泣きしながら、主人は「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝り始めたのです。私が「どうしたの>」と聞いても、主人は「本当にごめんなさい、ウウ……」と泣きながら5分間ほど謝り続けました。「何かあった? 何かそんなに悪いことでもしたの?」と聞くと、「自分だけ外食をして帰ってきたことが申し訳ない」と言うだけでした。

2014年7月に入ると、主人はいよいよ情緒不安定な状態になりました。家のリビングで座っていても、わけもなく突然泣き出したり、泣きながら頭を抱えて「もう駄目だ、もう駄目だ」と繰り返し取り乱すようになりました。私が「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と何度もなだめても、主人は虚ろな目をして、私の声が聞こえていない様子でした。

2014年7月11日金曜日、もう限界だと感じ、私は泣きながら「もう頑張らなくていいよ」と主人に告げ、7月12日に両親に相談に行きました。主人は自殺の一歩手前でした。

仕事を押し付け、独自ルールで叱責を繰り返す

Aさんは、14年7月14日月曜日、精神科を受診し、「適応障害・不安障害」との診断を受け、休職。妻はAさんに、会社で何があったのか詳しく聞き出した。