「怖い、お断りしよう」大学時代に年上の男性と初交際するまでの経緯
――大学時代に初めてできた恋人とは、どんなきっかけで付き合うことになったのでしょうか。
Yuna 相手からの告白です。上司で年も離れていますし、それまで誰かと付き合ったことがなかった私には「付き合う」がどういうものか全く想像がつかなかったので、「怖い、お断りしよう」と思いました。それなのに、彼がものすごくプッシュしてくれて、その熱意に折れて付き合うことになりました(笑)。
彼ができたことで、私の中で変化があって。自分の中にあるカラカラだったコップが、少し潤った気がしたんです。
――それはどういう意味でしょうか。
Yuna 小さい頃から、母は私との関わり方が不器用で、父はほとんど家にいない。そんな家庭環境で育ったから、「Yunaが一番だよ」と言ってくれる人を無意識に求めていたように思います。
「友達」とは違って、「恋人」という椅子は1つだけ。誰かの特別になることにこだわりを持っていた10代の私は、「誰かの恋人」という椅子に座ることで、友達との関係では満たせない部分を満たせることに気づいたのです。
ただ、どれだけ愛をもらっても、私の心が完全に満たされることはありませんでした。
「私の地元だ」と思える場所がないのもコンプレックスだった
――なぜ満たされなかったのだと思いますか?
Yuna 両親からの愛情や普通の家庭環境だけではなく、私にはアイデンティティが欠けていたんです。
たとえば、いまは3か国語を話せますけど、昔は中国語も英語も中途半端でしたし、「これが私の地元だ」って思える場所がないのもずっとコンプレックスでした。
――いわゆるアイデンティティ・クライシスに陥っていた。
Yuna でもコンプレックスに思っているだけじゃ何も変わらないから、「母国語がないなら、これが私の母国語だと思えるくらい話せるようになろう」「母国と思える国がないなら、ナビを使わないでも1人でどこにでも行けるくらい、街に詳しくなろう」と、1つ1つ乗り越えていって。いまではすべてが母国語で、すべてが母国だと思えています。
それに、信頼できる仕事相手や大好きな親友、慕ってくれる仲間たちがいて、私らしくいられる仕事や居場所もある。だから最近は、コップが満たされているなって思います。

