年収800万円以上の仕事を1年で退職したワケ

――大学卒業後、ハワイからロサンゼルスに移住したきっかけを教えていただけますか。

Yuna アメリカで、海外留学を経験した日本人学生向けの就活イベント「ボストンキャリアフォーラム」があって。私の周りの日本人留学生もほとんどがこのイベントに参加していたから、私もハワイからボストンまでの航空券を買うためにアルバイトして、お金を貯めていたんです。

 でも、そのお金が入ったお財布を落として、就活イベントに行けなくなってしまって……。しかも、その頃ちょうど新型コロナウイルスが流行して、飲食店でアルバイトしていた私はアルバイトもまともにできなくなってしまった。

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 このままじゃ、大学を卒業しても就職どころかアルバイトで働く場所もない。自分でなんとかするしかないと考えた結果、起業しようと思ったんですよね。

 起業するならSNSで地盤を固めておいたほうが、きっと事業が軌道に乗るのが早いと思い、YouTubeを始めました。でもその後、ご縁があった会社で社長秘書として働くことになって、ロサンゼルスに移住したんです。

――秘書のお仕事は、かなりの好条件だったそうですね。

Yuna 新卒としては破格の給料で、年収800万円以上。しかも、コロナ禍だったから、仕事はほぼリモート勤務。社長も尊敬できる方でした。でも結局、1年で退職しましたね。

安定・高収入の秘書職を辞めて人気YouTuberになった経緯

――なぜ好条件の仕事を辞めたのですか?

Yuna どんなに条件がよくても、良い給料をもらっても、自分のやりたいことじゃないと動けないタイプだなって分かったんです。秘書をしながらYouTubeも続けていたのですが、やればやるほど、YouTubeに力を入れたくなっちゃったんですよね。

 当時はいまと比べると登録者数が少なくて、秘書の給料に比べたら収益も少なかった。それでも、動画制作、編集、マーケティングなど、YouTuberとして必要なスキルは、今後どんな事業をするにしても役立つと思ったし、何より自分の力でゼロから何かを作ることが、楽しくてしょうがなかったんです。

 

――条件や収入よりも、やりたい気持ちを優先したのですね。でも、安定していて条件も良い高収入な仕事を手放すのは、怖くはなかったですか?

Yuna うーん、結果的に「安定」「高収入」な仕事についていただけで、そこを重視していたわけではなかったから、怖さはなかったですね。

 もちろん、金銭的な安定がほしくないわけじゃないんです。でも、仕事の成果に関係なく毎月決まったお金をいただく安心感よりも、自分の力次第で仕事の内容も報酬の額も変化するドキドキ感のほうが、私には心地よかった。

 そもそも、生まれてからずっと安定とは程遠い生活を送ってきたから、「安定とはそもそもどんな状態?」って感じですしね(笑)。