〈あらすじ〉
1940年、ベルリン。18歳のステラ・ゴルトシュラーク(パウラ・ベーア)は、ジャズシンガーとしてブロードウェイで活躍することを夢見ていた。しかしユダヤ人の両親を持つ彼女には叶うべくもない夢だった。
3年後、戦況が悪化する中、ステラはユダヤ人のために偽造パスポートを作るロルフ(ヤニス・ニーヴーナー)と出会い、恋に落ちる。しかしロルフともどもゲシュタポに逮捕され、激しい拷問を受ける。さらにアウシュビッツ行きが濃厚になり、追い込まれたステラは、町に潜むユダヤ人を見つけてゲシュタポに密告する役目を志願する。
〈解説〉
ナチス支配下のドイツに実在した、同胞を裏切ったユダヤ人女性を描く。『ぼくは君たちを憎まないことにした』のキリアン・リートホーフ監督作。121分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆愚かだが生き抜く力だけは強いヒロイン。ナチス絡みの映画で実話だという。音楽とカメラワーク、いささかの違和感。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆意欲的に問題提起を試みたのだろうが、描写に力みと繰返しが目立つ。P・ベーアも熱演が空転し、持ち味を出せていない。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆ステラの勝気さが己を貶め、優秀な猟犬のように調教された結果が生き延びる残酷さを招く。逃げられぬ傷の深さに合掌。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆強い主題だが、その枠組みに従属した語りは平板。もしもファスビンダーが撮っていたらと想像しながら観てしまった。
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洞口依子(女優)
★★★★☆女優が映画を支える。主演女優の眼差しの凄み、ナチスとジャズの組み合わせで、多少の粗も木っ端微塵に砕け散り散りに。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
配給:クロックワークス
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ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女(独、オーストリア、スイス、英)
2月7日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
https://klockworx.com/movies/stella/
