〈あらすじ〉

 2022年のイラン。1人の若い女性が逮捕され、不審死したという事件を機に、市民の反政府デモが激化していた。そんな中、裁判所で調査官として働くイマン(ミシャク・ザラ)は悲願の昇進を果たし、予審判事に。しかし、その業務はデモ逮捕者の起訴状を国の指示通りに捏造することだった。そして、市民からの報復に備え、護身用の銃を支給される。

 ある日、その銃が家から消えた。誰が銃を盗んだのか? イマンの疑いの目は、妻(ソヘイラ・ゴレスターニ)と2人の娘に向けられる。

〈解説〉

 イランの社会問題を背景に、ある家族の崩壊を描くサスペンス・スリラー。作品が政府批判であるとして有罪判決を受けたモハマド・ラスロフの、『悪は存在せず』に続く脚本・監督作。第77回カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞。167分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆女たちの反乱。前半は、大いに興味を持って見ていたのだが、やがて狂気じみた展開に。やっぱり戦略戦術が無いと、ね。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆ただならぬ緊迫感の湧出に驚く。敵意と猜疑心以外の感情が立体的に彫り込まれていたら、もっと複雑な味が出たろうに。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆生真面目な夫の、家族のために働く行為が妻と娘の幸せを剥ぎ取る。ヒジャブに隠された不自由さに恐怖と嘲笑を感じた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★★強時代のうねりと政治的分断を家族ドラマに凝縮する設計が見事。社会風刺のみに留まらぬ映画的ダイナミズムにも驚嘆!

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆若い芽が古木の幹に絡み死滅させるイチジクの種の如く、映画の第4の壁をぶち破り観る側を抱き込む。女性連帯強し!

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
©Films Boutique
配給:ギャガ
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聖なるイチジクの種(仏、独、イラン)
2月14日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
https://gaga.ne.jp/sacredfig/