さまざまある抗ヒスタミン薬の選び方
花粉症に用いられるアレルギーの薬でもっともポピュラーなのは、抗ヒスタミン薬です。多くの種類があり、自分に合ったものを服用することが重要です。
●第一世代抗ヒスタミン薬
以前からある第一世代抗ヒスタミン薬は即効性があり、症状の緩和に効果的ですが、脳の中枢神経系に作用しやすいため、眠気や集中力の低下を引き起こす短所があります。
●第二世代抗ヒスタミン薬
現在の主流である第二世代抗ヒスタミン薬は製薬各社から10種類以上販売されています。特徴は、第一世代より脳への薬の移行が少なく、眠気が出にくいこと。ただし、第二世代の中でも脳への移行の度合いはさまざまで、効果や副作用の面でも弱めから強めまでさまざま。一部は薬局で選べる市販薬となっています。
また、薬の種類によって、朝晩2回、夜1回、普通は1日1錠だけど、花粉が多く症状が強いときは量を増やして1日2錠まで飲めるものなど服用方法が異なります。副作用が少ないとはいえ、眠気が多少出ることもあり、受験生では寝る前に飲む1回タイプを選ぶことが多いです。それでも翌日眠気が残ることもあり、注意が必要です。
飲み薬には、錠剤だけでなく、口腔内崩壊錠(OD錠)、散剤(粉薬)やシロップもあります。口腔内崩壊錠とは、水なしまたはわずかな飲水のみで服用しやすく、速やかに唾液で溶けるようにした錠剤のことです。
このように選択肢が多く、使ってみないと効果や副作用が分からない面もあります。どの薬が合っているのか分からない場合は、最初は数週間分程度の少なめで薬を処方してもらい、自分に合っていたら続ける、合わなかったら別の薬に変えてもらう手順がよいでしょう。
点眼薬・点鼻薬の併用も
●点眼薬
目のかゆみや充血には、抗ヒスタミン点眼薬が即効性を持ち、症状を速やかに和らげてくれます。花粉が飛ぶ前から使用すれば予防的な効果が期待されます。症状がどうしても強い場合にはステロイド点眼薬が効果的で、目の炎症を抑える力が非常に高いですが、長期使用は副作用もあるので使いすぎは禁物です。