人気の舌下免疫療法
●舌下免疫療法
舌下免疫療法は、アレルギー症状を根本的に抑え、体質改善する治療法の一つです。特にスギ花粉症やダニアレルギーに効果的です。ただし、1日1回、数年続ける必要があり時間がかかるのが難点ですが、抗ヒスタミン薬のような眠気の心配はないので、試す価値のある治療法です。最初は医師の指導のもと行い、その後は自宅で継続します。通常、2~3年以上続けることで効果が最大化されます。根気よく続けることが大切です。
この舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ体に慣れさせることで、アレルギー反応を抑える治療法です。やり方も簡単で、舌下にアレルゲンを含む薬(スギ花粉エキス)を置いて、数分間そのままにして溶けてから飲み込むだけです。
これを毎日続けることで、体がアレルゲンに慣れ、過剰な免疫反応が起きにくくなります。アレルギー体質そのものを改善することが期待されるため、進学後も続く花粉症の悩みを減らす可能性があり、勉学に関してはいずれにせよプラスになるはずです。
将来の受験に備えて、早めに舌下免疫療法を始めた女子学生のNさんは、まだ1年弱ほどで完治したわけではないものの、「勉強に集中して早く問題を解けるようになった」と言います。
ごく稀にアナフィラキシーと呼ばれる強い副作用がでることもありますが、おおむね大きな副作用はなく、安全性も比較的高いと考えられています。多くは、口の中のかゆみや腫れなど軽い副作用程度です。
難点は、とても人気があるため、薬の生産が追いついておらず、入荷待ちの状態になることが多いこと。また、花粉シーズン中に開始はできないので、6~12月頃のシーズンオフから始めることになります。そのため今年受験する方には必ずしも向いていません。
重症花粉症には高価な注射薬も
●注射の抗体薬
一方、従来の薬物療法では十分な効果を得られない重症の方に、新たな希望をもたらしているのが注射の抗体薬です。この薬は、特にスギ花粉症による鼻づまりや目のかゆみ、鼻水などの症状が日常生活に支障をきたすほど重い場合に用いられ、生物学的製剤とも呼ばれます。その画期的な特徴は、アレルギー反応の根本的な仕組みに作用する点にあります。