でも新地は『脱いでください』『仰向けになってください』と流れ作業のよう。キスもないから直接の粘膜接触なし。軽く乳首舐めて、ゴムかぶせてフェラしたら、ローション塗って挿入して、イったら終わり。
15分のコースでも実際に絡んでる時間は7分ほど。
女の子に聞けば『ラクすぎてもうほかではできない』なんて言う。
ほかというのは海外の出稼ぎも含めている。逆に言えば客が取れるルックスじゃないと、飛田はキツいかもしれないですね。ほかの風俗ではギリギリな子も多いんですよ。
まぁ、日本で稼げない子は正直海外でも稼がれへんのです。ここの子たちで店に出る子は全体で一日600人ほどいますから。その日の稼ぎが20万円っていう子もいればゼロって子もいるんです」
ちょうど海外出稼ぎの話題に移ったところでKは記者を飛田新地内の自分の店である「小料理屋」へと案内した。
「小料理屋」
Kは軒先に座ってライトを浴びている女の子と、その隣に座る呼び込みの中年女性に軽く挨拶すると、真横にある勝手口に記者を招き入れた。2階建ての古びた建物だが内部はリフォームされており、想像していたよりもずっと清潔だった。いくら取材とはいえ、飛田新地に“潜入する”という体験に胸が高鳴る。
玄関で靴を脱ぎ、短い廊下を進んだ先にあったのは女の子たちの待機部屋だった。ちょうど表に座っている女の子の真裏にあたるようだ。そこには台所と冷蔵庫、電子レンジなどがあり、簡単な料理なら作って食べることができる造作だ。女の子用のロッカーもあった。シャワーも付いているようで、ひとり暮らしの女性の部屋に来たような感覚に陥った。
部屋の真ん中ではふたりの女の子が座布団にちょこんと座り、ちゃぶ台を囲んでいた。どちらも目の前にライト付きの大きな鏡を置き、メイク道具を漁りながら顔を整えている最中だった。Kと記者が入ると、驚くでもなく、満面の笑みで「こんばんは~」と挨拶する。ちなみに冬はコタツを置いて寒さをしのぐとKが説明した。