人生を一変させた安倍首相の国会答弁
雅子さんはハッと思い出した。そうだ、まさに8年前のこの日、この部屋で安倍晋三首相(当時)が森友学園との土地取引について答弁した。
「私や妻が関係していたら、総理大臣も国会議員も辞める」
この発言がきっかけで改ざんが始まった。赤木さん夫妻の人生を一変させた有名な答弁から切り込んだ川内議員は、次に石破首相自身が就任前の去年3月7日、雅子さんに送った携帯メッセージを読み上げた。
「ご無沙汰致しております。本日は赤木俊夫様のご命日であったかと存じます。改めて御霊の安らかならんことを切にお祈り申し上げますと共に、森友事件の真実が明らかになりますよう、微力ながら努力を重ねて参ります。いつか必ず正義が実現することを信じて、ご健勝にてお過ごしくださいませ。赤木雅子様」
俊夫さんの命日にメッセージをきちんと送った国会議員は石破首相だけだ。
「このような心のあることをできる政治家というのは非常に立派だと思います。この“正義を実現する”時がいよいよやってきています。石破総理は説明責任を果たすと述べていますが、それはいかなる経過でこんなことになってしまったのかがわかるように、開示に向けて精査するということですか?」
石破首相はメモも受け取らず答弁に立った
石破首相はここで異例とも思える答弁をした。
「赤木俊夫さん、雅子さんに対する思いというのは私なりに強く持っております。最初から結論を決め打ちすることなく、情報公開法の趣旨に則ってきちんと対応致してまいりたいと思います」
ここぞとばかり川内議員は情報公開法1条の規定を持ち出した。
「行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにする」