わずか1年半だけ走った「大船から1本で結ぶモノレール」

 実は、ほんの1年半ばかり、大船駅からドリームランドまでモノレールが通っていたことがあった。ドリームランド系列のドリーム開発による、ドリームランドモノレール。1966年5月に営業を開始した。

 途中に駅はなかったから、純粋なドリームランドへのアクセス路線だ。後年開発された団地への交通の便確保も目的にしていたのだろう。

今回の路線図。横浜ドリームランドは周辺駅からやや遠く、いまでは路線バスが中心。しかしかつてはモノレールも……

 しかし、このモノレール、営業開始から1年ほど経った頃から運命が狂う。タイヤの摩耗が想定以上に激しく、調べてみたところ車両の重さが計画の30トンを大きく上回る45.78トンだったことがわかったのだ。

ADVERTISEMENT

 それがタイヤや軌条にも影響し、安全が保てないとして1年半後の1967年9月に運行を休止する。そしてそのまま、復活することなく捨て置かれることになってしまった。

 

 なんだかお粗末極まるエピソードだが、ドリームランドがダイエー傘下に入った90年代に復活の動きもあった。大幅に改修した上で浮上式リニアで運行するという計画だ。

 実際に1999年に開業という目標も設定されていた。が、肝心のダイエーが経営難に陥って、この計画も露と消えている。

リニアモーターカーの構想もあったが、その後立ち消えになった ©共同通信社

 ともあれ、開園まもない時期に営業を開始したモノレールがたった1年半で休止になったのだから、だいぶミソがついた形だ。それでも、その後もドリームランドは順調にお客を集めたし、団地も生まれたのだからとりたてて大きな問題にはならなかったのだろう。