「これほど毎日つまらないのか」病気でアイドル引退→大企業に就職したが…中央大卒の元高学歴アイドル（33）が語る、セカンドキャリアの苦労

星野愛菜さんインタビュー #2

カネコシュウヘイ

2025/03/09

genre : エンタメ芸能

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会社で「売れないアイドルやっていたらしいよ」と噂されたことも…

――アイドルだったと「胸を張って言えなかった」とおっしゃっていましたが、会社員時代には芸能界での経験を周囲に明かしていましたか？

星野　転職の面接では、履歴書の職歴欄に事務所へ所属していた事実だけを書き、口頭で「アイドルをやっていました」と伝えて。職場では、一部の仲がいい先輩には言っていました。

　でも、反応はまちまちで「すごい」と言ってくださる方もいれば、「大学を卒業して、そんなちゃらんぽらんなことやっていたんだ」と冷ややかな反応をする方もいましたね。どことなく「ちやほやされるためにやっていたんでしょ」という視線も感じられて、私のいない場所で「売れないアイドルやっていたらしいよ」と噂されていたとも聞きました。

――アイドルと会社員の両方を経験されて、一般社会と芸能界での差は感じましたか？

星野　ルールがまったく違うとは思います。一般社会は決められた範囲で何かをやるのが正解で、周囲からはみ出すのは煙たがられると感じて。芸能界は逆で、他人と比べて「どれほどはみ出せるか」を求められる世界だと思います。どちらも経験して、私にとって合っていたのが芸能界でした。

真剣にアイドルと向き合ってきた子は、何事もけっして投げ出さない

――自身で経営する企業のサイトで、アイドルは「とっても優秀な人材」と主張されていました。その真意を伺いたいです。

星野　才能はもちろん、長くステージに立ち続ける継続力、スタッフの方やファンの方との関係性で培ったコミュニケーション能力は、アイドルならではだと思っています。

　人によって、周囲からの注目を浴びたくて続けている子、パフォーマンスで感動させたいと思っている子と、それぞれの目的も様々ですが、いずれにせよ真剣にアイドルと向き合ってきた子は、何事もけっして投げ出さないのは強みですね。

　続けるのが簡単な世界ではないし、悩みを抱えながらもアイドルに情熱をそそいできた子が、次の仕事でも成功を収めているのを何人も見てきました。現在は経営者として「アイドルを長く続けてきた」と面接でアピールしてくるだけでも、信頼に足りる人材だと思っていますし、彼女たちの才能をもっとたくさんの方々に知ってほしいです。

――星野さん自身は、アイドルを経験してよかったと思いますか？

星野　そう思います。アイドルでなかったら、仲間となったメンバー、ファンの方と出会えなかったですし、頑張ったぶん、たくさんの方に褒めていただける環境はアイドルならではの醍醐味でした。立場が変わった今は、明るいセカンドキャリアを思い描き、私についていこうと思ってくれた子たちの夢を叶えたい一心です。

　かつて、大学卒業後に就職活動をしなかった私に反対していた母も「愛菜にしかできない仕事だよね」と背中を押してくれますし、過去の経験も誇りにしながら「アイドルがいくつになっても輝ける仕組み」を作っていきます。