米軍から「グッジョブ」

――おひとりで相当数を壊滅させたということに。

大江 そうですね。おかげさまで表彰もされました。米軍さんにも「グッジョブ」みたいな声をかけられたんですけど、英語がわからないので、唯一知ってる英語「サンキュー、オーマイガー」で返しました。

――自衛隊で大活躍していた大江さんが、アイドルを目指したきっかけは。

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大江 自衛隊は天職だと思ってましたけど、実は心の中では女優になりたいという夢があったんです。芦田愛菜さんの『明日、ママがいない』というドラマが小さい時から好きで、愛菜さんの演技力に憧れていて。ただ、女優を目指すという決断になかなか踏ん切りがつきませんでした。それでも、自衛隊にいる時に20歳を迎えて、親の承諾なしに自由にのびのびできる年齢になったんだから、今しかないなと思って、自衛隊を辞めようって決意しました。

©石川啓次/文藝春秋

自衛隊の先輩に引き留められた

――周囲には引き留められませんでしたか。

大江 めっちゃ止められました。辞めたいと自衛隊の先輩に伝えたら、「ちょっと待ってよ、あなたは優秀だから上に行けるよ、給料も上がるよ」と言われて。親も、自衛隊に行くことは快く許してくれたのに、辞めると言ったら大反対で。「あんたの親じゃない」とまで言われました。それでも、どうしても自分の夢を目指したくて、半ば無理やり自衛隊を退職しました。

――自衛隊には何年ほど勤務されたんですか。

大江 ちょうど3年です。自衛隊は自分にとっては合っているなと思っていましたが、人間っていつ死ぬかわからないじゃないですか。芸能界の世界だってきついけど、自衛隊と同じように何かを達成できたら絶対にやりがいを感じると思って。ここで動かないと絶対後悔するなと思って自衛隊を辞めました。

ほふく前進を実演する大江さん ©石川啓次/文藝春秋

――その後は女優を目指して活動していた。

大江 辞めてからはすぐに東京に家を探して引っ越しました。親を頼らずにバイトしながら事務所を探してたんですが、最初に変な事務所に入っちゃって。事務所には血だらけの服とか人形が置いてあって、別に演技の練習をさせてくれるわけでもなく……。芸能事務所はどこもこうなのかと思ってたんですが、薄々そうではないことに気づいて、3ヵ月ぐらいで退所しました。それからは、TikTokや17LIVEなどで配信者としてフリーで活動していました。