倍率100倍のオーディションに受かるつもりはなかった

――現在所属する「このアイドルはフィクションです。」のオーディションに応募するきっかけはなんだったのでしょうか。

大江 もともとアイドルになるつもりはなかったんです。スポーツはできるんですけど、ダンスは全然だめで。学校でソーラン節をセンターで踊ったぐらいしか経験がなかったです。歌も苦手だし、自分がアイドルになるなんて、と思ってたんですけど、「このアイドルはフィクションです。」(以下、アイフィク)のオーディション募集の広告は他のアイドルグループとは全然違くて。

©石川啓次/文藝春秋

――どのように違ったのでしょうか。

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大江 ほかのアイドルさんのオーディションは、カラフルな衣装を着て、「待ってまーす」みたいな感じですけど、アイフィクは映像系の事務所が手掛けていることもあって、募集の告知画像が映画っぽいなと感じて。謳い文句も「『アイドル』という様々な役割を与えられる『物語』を演じる中で、メンバーたちがなりたい自分を見出す」というもので、私も演じることでなりたい自分になるという目標で女優を目指してきたので、アイドルだけではなくいろんなお仕事ができそうだと思って応募しました。でも、受かるつもりはなかったです。

――どうしてでしょうか。

大江 正直、絶対落ちると思ってました。X(旧Twitter)を見ると応募者が800人を超えましたと書いてあって。だから、無理だけど勉強のつもりで行ってみようと思って受けたんです。

©石川啓次/文藝春秋

「今日は寝坊してない?」とファンから...

――7人のメンバーということは100倍以上の倍率を潜り抜けたわけですよね。ご両親の反応はいかがでしたか。

大江 完全に賛成してるわけじゃないんですけど、ライブのステージとか、自分が衣装を着てる姿とかを見せたら、「すごいね、いいじゃん」とだんだんと認めてくれているのかなという感じです。

――女優になりたいから始まり、いまアイドルをされているわけですが、大江さんが描く今後の未来像を聞かせてください。

大江 アイドル志望じゃないけどアイドルになったって、けっこうたぶん珍しいと思うんですよ。実際にステージに立つようになってちょっとずつダンスや歌が好きになっていって、ファンの方からもすごい応援や期待の声をいただいているので、もっとその期待に応えたいなと思っています。私、結構問題児なので、レッスンとかよく遅刻して、ファンの方から「今日は寝坊してない?」とか言われるんですけど(笑)。それを乗り越えて、アイフィクに携わる皆さんにいい景色を見せられるように頑張りたいなと思っています。