大阪市で開催中のアジア映画の祭典「第20回大阪アジアン映画祭(OAFF)」で20日、『ラスト・ソング・フォー・ユー』が上映された。歌手でもあるイーキン・チェンとMIRRORのイアン・チャンの2人の胸を打つ弾き語りが披露される本作について、上映後登壇したジル・リョン監督が語った。
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ラブストーリー+ファンタジー+音楽
『ラスト・ソング・フォー・ユー』は、香港の離島と日本の高知を舞台に時空を超えた出会いを描いた恋愛ファンタジー。イーキン・チェンが人生を見失ったミュージシャンを、その若き日をMIRRORのイアン・チャンが演じている。
この日登壇したジル・リョン監督は「イップ・マン」シリーズなどアクション映画の脚本家を長く務めてきたが、初めて監督をした本作は、まったく違った恋愛ファンタジー。
「私はラブストーリー、ファンタジー、音楽が大好きで、初めての作品にはすべて盛り込もうと最初から思っていました。脚本家としての自分も自信をなくしたり世間に絶望したりすることもあったわけですが、そういう時にたとえば子供の時の自分からエネルギーを取り戻すことはできないだろうかと考えたのです。(時空を超えた)自分自身との対話を通じて自信を取り戻すというこの映画のアイディアは、そういうところから来ています」
劇中ではイアン・チャンがギターやピアノを弾きながら見事な歌声を披露し、MIRRORで最も評価されている音楽の才能をいかんなく発揮。イーキン・チェンも終盤に素晴らしい歌声を聞かせ、同一人物を演じる2人が行う“時空を超えたセッション”が見どころだ。