アジア映画の祭典「第20回大阪アジアン映画祭(OAFF)」が開催中だ。16日には、人気K-POPグループ「NCT」のジェヒョンの初主演が話題の『6時間後に君は死ぬ』(5月公開予定)のジャパン・プレミアが行われた。本作は高野和明氏の同名小説(講談社文庫)が原作。上映後には、原作者の高野氏、監督のイ・ユンソク氏が舞台挨拶に立った。

イ監督(左)と高野氏 ©文藝春秋

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現場でのジェヒョンは素晴らしかった

『6時間後に君は死ぬ』は、他人の未来が見える男に「6時間後に死ぬ」と予言されたひとりの女性の未来をかけた緊迫のカウントダウン・サスペンス。予知能力がある謎の男をジェヒョンがミステリアスに好演、死の運命に立ち向かう女性をパク・ジュヒョンが演じた。

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 この日登壇した高野氏は映画について、

「クオリティの高さに感銘を受けた。自分の生み出したキャラクターを韓国の俳優の皆さんが見事に実在の人物のように演じておられて、とても感動しました」

 と感無量の様子。続いてイ監督が撮影時のジェヒョンについてこんなエピソードを語った。

イ監督(中央)と高野氏(右) ©文藝春秋

「(作品に登場する)横断歩道のシーンを撮るときに雨が降って中断することがあったんですが、ふたりの女子中学生がジェヒョンに気づいてずっと見ていました。傘もさしていなかったので、撮影用のテントの端に呼んで待たせていたんです。撮影後、ジェヒョンは彼女たちと話をして、サインもしてあげていた。その様子を見ていて、アイドルが人をどれほど喜ばせることができるか、私はその力に驚きました。現場でのジェヒョンの姿勢は素晴らしく、優しそうですけど芯が強い人なので、この役に合っていました。初主演作でここまでやってくれたのは、本当に彼自身の力量だと思います」