そのほかアロマオイルやエッセンシャルオイルのほうが、薬よりも優れていると考える人もいます。前述のように、医薬品や治療法のようにケースコントロールスタディなどは行われていませんから、効果も安全性も不明です。SNSには体に塗ったり、食品に加えたり、そのまま飲んだりすることをすすめる投稿さえあります。そのアロマオイルは皮膚や粘膜に塗って大丈夫でしょうか。一部のものは希釈すれば塗ることができるようですが、使用前に必ず確認してください。また、通常アロマオイルは食品ではなく雑貨なので飲食できません。口にする前に、食品添加物として許可を受けているかどうか調べましょう。
※3 厚生労働省 eJIM「ホメオパシー Homeopathy」
※4 日本医学会 「『ホメオパシー』への対応について」
サプリメントが安全とは限らない
では、市販されているサプリメントだったら食品ではありますし、薬より体にやさしくて安全なのでしょうか。子ども向けでも「身長が伸びる」「視力改善」「免疫力アップ」といった効果があるかのように誤認させる商品がとても多いですね。
サプリメントには行政上の定義がなく、「健康の保持増進に資する食品全般」と考えられています(※5)。食品だから安全性が高いだろうと誤解する人が多いですが、成分検査において医薬品ほどの厳格さはありません。2024年に小林製薬の紅麹のサプリメントを摂取したあとに健康被害が出たり、亡くなったりした人がたくさん出たことが報道されました。多数の被害者が出たのは、機能性表示食品には医薬品と違って、健康被害が出た時点で速やかに報告する義務がなかったことも一因です。
外来診療をしていて「子どもにサプリメントを飲ませているんですけど、薬との飲み合わせは大丈夫ですか?」と聞かれることがありますが、どんな成分が入っているのか説明できない保護者も少なくありません。目的や内容がわからないまま、錠剤やカプセル形状のものを与えるのは危険です。過剰症になる心配もありますし、思わぬ健康被害を起こすことがありますから、しっかり確認しましょう(※6)。