涙を拭って仕事に戻る日々

小湊 何もできない自分を知りました。本当に世間を知らないんだなって。まずパソコンが使えない(笑)。エクセルの使い方さえも全然わからないから、最初は呆れられました。「こんなこともやってきてないの?」って。

 私は覚えるのも遅くて、毎日メモしながら聞いていたんですけど、聞かれても、どこに書いてあるかを見つけるのにも時間がかかる。「この間、教えたでしょ!」みたいな感じで怒られる日々でした。

 お昼休憩のときに屋上で泣き、家に帰っても泣いて(笑)。でも、私にはもうこの道しか残されていないという思いで、涙を拭って仕事に戻っていました。

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写真=野澤亘伸

──会社の人間関係はどうでしたか。

小湊 私は会社勤めの経験がなかったから、指導について最初は「意地悪されているのかな」って思ったこともありましたが、話していく中で理解できました。上司の女性はすごい仕事ができる方で、厳しいけれど、みんなが憧れる存在で、彼女のようになりたいと思って、昇格するために試験勉強に取り組んだり、落ちても再チャレンジしたり。昇格後に私の成績を認めてもらえる機会があったのは、とても嬉しかったです。

──仕事の内容はどんなものだったのですか。

小湊 美容関係のカウンセラーで、担当は脱毛がメインでした。私は元々毛深くて、小学生の頃は眉が繋がっていたんですよ。学校ではイモトさんみたいだって言われていました。だから同じ悩みを持っている方に寄り添えるかと思いました。

写真=野澤亘伸

 デリケートな部分なので、その人が何を一番気にしていて、どうしてここに来たのかを見極めることが重要でした。

 それにはグループ時代の経験が活かされたところがあるかな。私は人の言葉の抑揚やちょっとした表情の変化で、気持ちの変化に気づいてしまうところがあって。自分でそれを気にしすぎてしまうところが嫌なんですけど。

 ファンとの握手会のときなど、小さなリアクション一つで、「もう来てくれないかも」と思うと、本当にそうなったり。逆に来て欲しくて、こちらから好意を伝えすぎても来なくなってしまったり。距離感の取り方は本当に難しくて、いつも考えさせられました。

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 9年間のアイドル活動を終え、会社員として奮闘を始めた小湊よつ葉。しかし、2年ほど勤めた後、突如アダルトビデオ業界に転身する。正社員雇用という安定を捨て、セクシー女優デビューを決意したのはなぜなのか。関連記事では、当時の経緯について紹介する。

次の記事に続く 「借金でも作ったの?」「今後関わらないでくれ」…芸能界を去り、セクシー女優デビューした小湊よつ葉(28)が受けた周囲からの“辛辣すぎる反応”

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