「伝説のランパブ」移動するたびランジェリーのお尻や太ももが目の前を…
「ビルの3階フロアが、なぜか天井が低い作りになっていて、普通なら飲み屋さんなんかできるような作りではなかったんです。でも、ものは考えようで、それならいっそ床に座ってもらえばいいやと考えてお座敷の店にしちゃったんです。ランパブでお座敷は全国的にも珍しかったと思いますが、これが大当たり。
お座敷に腰を下ろして1時間も飲めば、もう帰りたくなくなるじゃないですか。しかもお客さんは低いフロアに座っていますから、女の子が立って移動するたびランジェリーのお尻や太ももが目の前を行き来する。普通なら失礼でもこの店ではサービスですからお客さんは大喜びでした。それとパジャマクラブでも評判がよかったのでこの店でもインテリアで一組の布団を敷いてありました。お客さんも妄想を膨らませて楽しんでいたみたいです」
「一番盛り上がっていたのは1990年代の半ばから後半でしょうか。私の経営していたどのお店にも外に長い行列ができて、毎晩店に入りきれないほどのお客様が来てくれました。広告費をほとんどかけなくても口コミでお店の評判を聞いて、わざわざ都心からタクシーを飛ばして遊びに来るようなお客さんもたくさんいて、普段は六本木や新宿みたいな大きな繁華街で飲んでいる遊びなれた人たちが、『あの店に行こうぜ』って来てくれたんです。
そのうちに噂が広まって、沖縄や東北地方など日本全国からもお客さんが来るようになって、そのまま毎年通ってくれるようになった方もたくさんいました」
お客さんが集まるのは「女の子たちが楽しみながら働けていたから」
これだけ人気を集めた理由はどこにあるのか。
「やっぱりお店の女の子たちが、自分たちも楽しみながら働けていたことが一番じゃないでしょうか。これまで1000人以上の女の子を雇いましたが基本的にどのお店も少数精鋭でやってきました。女の子は数をたくさん揃えればいいわけじゃなく、ちゃんと接客ができなければお客さんは来てくれません。
よく面接で女の子たちに言っていたのは、何でもいいから何かしなさいということ。ある女の子はずっとカラオケを歌って店を盛り上げていましたけど、もちろん自分が楽しむんじゃなくてお客さんとの会話でリクエストをもらって楽しませるんです。その子に新しい店を任せたことがあるんですが、1曲100円のカラオケ代をためて、カラオケ機材の費用の100万円をあっという間に返しちゃいましたからね」
もうひとつの特徴は1時間5000円の「明朗会計」だ。ビールも飲み放題だし高いボトルを入れるような営業もしなかったという。こうしたスタイルが、客が安心して飲める店として支持を集めていったのかもしれない。
