デジタル化の進展で、文字を手書きする機会は減ってきた。しかし公的な書類や大切なお礼状など、まだまだ手書きが求められる局面は多々ある。著者は就職後、美しい手書き文字で顧客の心を掴み、営業職として優れた成績を残し、現在は独立してペン字・筆文字教室の講師として成功を収めている。そこから得た上達のメソッドを詰め込んだのが、ヒット中の本書だ。
「例文をなぞり書きして練習するタイプのペン字本の感想で、『本に載っていない漢字はどうすればいいの?』というものを多く目にします。本書もなぞり書きを採用してはいるのですが、練習する中で、『書き始めに斜め45度の打ち込みを入れる』『ヨコ線はあえてスキマをつくって上品な印象を出す』『四角い漢字は逆台形を意識する』といった、どんな種類の文字にも対応できるメソッドが身につけられる作りになっています」(担当編集者の栗田亘さん)
文例や体裁にも、企業の管理職から主婦まで様々な生徒に向き合ってきた著者ならではの視点が光る。
「漠然と上手くなった気になる本ではなく、徹底して実用的、実践的な内容を目指しました。たとえば横書きやカタカナにページをやや多めに割いたのは、書類は横書きが多いですし、マンションやビルの名前にはほとんどカタカナが入っているからです。手書きが必要な場面を強く意識したことが、好評に繋がったと感じています」(栗田さん)
2017年11月発売。初版8000部。現在8刷7万部