南口の改札を抜けたすぐ脇には、「アントレ」のテナントのひとつなのだろう、サンマルクカフェがあった。記憶が確かならば、ずいぶん前には同じところにドトールコーヒーがあったと思うのだが、入れ替わったのだろうか。

駅舎を出て駅前の広場に出る。向こう側に広がる妙な空き地はなんだ…?

 そんな駅舎を出た先が、南口の駅前広場だ。市内各方面に向かうバスの乗り場が置かれ、その回りには雑居ビル。沼津駅を玄関口とする沼津市は静岡県で4番目となる人口約18万人を抱える、県東部の拠点都市だ。だからさすがに賑わいも……。

 そう言いたいとところだが、駅前広場の向こう側には妙な空き地が広がっていた。さらにその先には歩道部分に屋根がかけられた目抜き通りがまっすぐ南に続いていて、そこにも商業ビルが並んでいる。だからこそ、駅前の空き地が異様に感じられるのだ。

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 実はこの空き地に、かつて西武百貨店があった。1957年、西武百貨店の地方展開としては軽井沢に次ぐ2号店として開店し、増築や新館の新築などをしながら長らく営業を続けてきた。

 

 いわば沼津駅前のシンボルだったのだが、2013年に閉店。解体後は空き地のままになっている。ちなみに、この場所には2016年から2024年2月まで、アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の公式カフェが置かれていた。

 

 そんなわけで、駅前に出るやいなや現代日本で地方都市が置かれている現状が透けて見えてなんとも切ない気持ちにさせられる。

人通りの多いアーケード街を抜けると…

 それでも、駅の南側、目抜き通りやその西側に並行しているアーケード街を含めた中心市街地は、さすがの18万都市にふさわしい活気を見せている。

 
 
 

 地方都市というと歩行者はすっかりクルマに駆逐され、学生が出歩かない日中には人通りがほとんどなくなる、なんてことも珍しくない。

 が、沼津はまだまだ多くの人が町の中を歩いていた。これは東京からもそれほど離れていないということが影響しているのか、それとも駅周辺の中心地にビジネスから商業まであらゆる施設が集約しているからなのか。

 
 
 

 駅前の目抜き通りを少し南に進み、「大手町」と名乗る交差点。その角の南東側には狩野川に面して中央公園という公園があった。