4月3日発売の『週刊文春』の名物連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」に、画家でYouTuberとしても活躍する柴崎春通さんが登場。

 柴崎さんは水彩画家として活躍する一方、2017年にYouTubeチャンネル「Watercolor by Shibasaki」を開設。多彩な画材を使いこなして絵を生み出す技術と穏やかな語り口で人気を博し、現在189万人もの登録者数を持つ。4月2日からはNHK Eテレにて「3か月でマスターする絵を描く」の放送が始まった柴崎さんに話を聞いた。

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胸囲が1メートルあったので……

阿川 水彩画家で、YouTuberでもある柴崎さんは、世間では「おじいちゃん先生」と言われてますが、そう呼ばれて腹が立ったりはしませんか?

柴崎 いや、全然。それで売ってるところもありますし。うちのかみさんは最初怒ってましたけど(笑)。

阿川 そうでしょ。だってまだ70代なんだから。

柴崎 でもYouTubeを見ているのは若い人ですから。TikTokでも、今フォロワーが110万人いるんです。

柴崎さん(左)と阿川佐和子さん(右) ©︎文藝春秋

阿川 絵を描くのが面白いと思ったのはいつ頃からなんですか。

柴崎 親戚の人に「坊は絵が上手いね」と言われるのが嬉しくて、幼い頃からじゃんじゃん描いていたし、小学校でもよく褒められてました。

阿川 そうそう、印象派の画集と出合ったのもその頃だそうで。

柴崎 小学校の図書館で印象派やモンドリアンの絵を見て、「え、これが絵なの!?」と驚いたんです。その時の衝撃はずっと頭に残ってまして。

阿川 でも確か、美術部に入られたのは高校生の時でしたよね。

柴崎 中学校では、当時流行っていた『イガグリくん』という柔道漫画の影響で、柔道一直線でした。格技って一対一の世界で、自分だけが頼りだから燃えるんですよ。当時、柴崎は胸囲が1メートルあったので、昔の僕を知っている人に会うと「痩せましたね」って言われるんですよ(笑)。