気の利いた聞き上手で、コスプレ姿になるなどして客の評判は上々だった。一方、店をPRするユーチューブ動画に出演した際、オーナーに「メンヘラ気味の店長です」と紹介され、自身も「クリスマスイヴの朝に飼ってたニートの浮気が発覚し殴り合いの喧嘩になった」というエピソードを披露。また、動画サイトに自撮り映像を流し「明日、自殺するけど、どういう死に方が見たい?」などとメンタルの不安定が窺える発言もあった。
ホストクラブで60万円を使ったことも…
店長就任と時を同じくしてYは、店から徒歩数分の歌舞伎町のホストクラブで働いていたRさんと知り合う。彼がYの店に遊びに来たのがきっかけだった。頻繁に来店するRさんをYは気に入り、2019年3月からは逆に彼の店に通うように。たちまちRさんにのめり込み、2日に一度のペースで足を運ぶ。ホストが新規の客を開拓するためキャバクラやガールズバーに足を運ぶのはよくあることで、Yもまんまと“営業”に引っかかった。
彼女は惜しみなく金を使い、多いときで1日60万円を彼のために費やした。初めて男女の関係になったのは1本20万円のシャンパンを入れた夜で、以降週に数度ラブホテルに行くのが当たり前となる。
YはますますRさんにハマり、彼を店のナンバー1ホストにさせるべく、同年4月にガールズバーを辞める。映画の主人公同様、高収入が得られるデリヘル嬢として働き始めたのだ。他にも“パパ活”などで金を稼ぎホストクラブの飲食代に充てたことで、3月にはランキング外だったRさんは2ヶ月後の5月に店のナンバー1に。Yの後の供述によれば、Rさんからも好意を伝えられ、9月にはホストを辞め将来は自分と結婚するつもりだと言われたのを本気にしたらしい。
加害者女性はただの「太客」にすぎなかった
しかし、しだいにRさんのYに対する態度は冷淡なものに変化していく。“太客”としては重要な存在だが、特別な愛情はなく、何よりYの言動が重かった。扱いが雑になったことを不安に感じた彼女はリストカットをして気を引いたり、事件の数日前には東新宿の自宅マンションの屋上に呼び出し、「飛び降りるから」と自殺をほのめかした。もはや限界だった。
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