「ボディビルは筋肉を大きくした状態で身体を絞らないといけない」ミロシュ流トレーニングの効果は…

――アメリカでは、具体的にどんな食事をしていたのですか?

山岸 ボディビルは筋肉を大きくした状態で身体を絞らないといけないので、ミロシュからは炭水化物の量を増やすように指導されて。アメリカでは、ライスやポテト、パスタ、あとはライスケーキ(お米のお菓子)をひたすら食べてましたね。

 もちろん日本にいたときも炭水化物を摂取していたんですけど、コンテストが近づいてくると、体脂肪を落とさないといけなくなるので、炭水化物を摂るのが怖くなるんですよ。そうすると、体脂肪は落ちるけど身体が細くなってしまう。

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――ミロシュ流の効果のほどは?

山岸 炭水化物をたくさん摂りつつ物凄い量のトレーニングをこなしていたので、筋肉量がどんどん増えていきましたね。

 

日本人もオリンピアに出られると証明できた

――その結果、2007年にボディビル界最高峰の大会「ミスター・オリンピア」への出場権を日本人で初めて手に入れるわけですね。

山岸 自分がボディビルを始めた大学生の頃は、「ミスター・オリンピア」は目標ではなくて夢でした。当時は「オリンピアに出る」「ボディビルでプロになる」と言っている人は、“どうかしている”と思われていましたから。

 でも私が初めて、道筋を立ててトレーニングすれば日本人もオリンピアに出られる、というのを証明できたと思います。

――ただ、2007年12月にロサンゼルス空港で逮捕されてしまいます。

山岸 当時はオリンピアの出場権を獲得して、すべてがうまくいっていたので、怖いものがなかったというか。慢心があったのかなと思います。それが、2007年の年末に起きたトラブルにつながっているのかなと。

撮影=松本輝一/文藝春秋

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