ーーお店が軌道に乗り始めたのは、いつ頃だったんでしょうか。
村上 たまたまなんですけど、『月曜から夜ふかし』(日テレ系)で取り上げられたんです。鳥取にはスタバがない……というテーマでうちにも取材してくださって。そこから朝の情報番組とかでも取材されるようになったんです。あれは大きかったですね。
鳥取空港の店舗に、マツコ・デラックスさん用のイスを置いているんです。いつか来てくださったときに、感謝をお伝えしたいなと思って(笑)。
ーーマツコさんはまだいらしていない?
村上 残念ながら、そうなんですよ。ご本人が座られていないんですが、あの椅子がフォトスポットになっていますね。
スタバの鳥取出店に抱いていた“本音”
ーー2015年、すなば珈琲のオープンからほどなくして、スターバックスが鳥取に出店します。いよいよ“激突”というか……。
村上 いやいや(笑)。スタバさんには本当に頭が上がりません。スタバの鳥取出店計画はすでにあったけど、うちに気を遣って1年ほどずらしてくれた……という逸話も聞いたことがあります。スタバの鳥取1号店がオープンするときは、当時の店長さんがうちに「どうぞよろしくお願いします」と挨拶に来てくださったんですよ。僕らからしたら「とんでもございません!」という気持ちでしたね。
ただ、せっかくなら乗っかるしかない、ということで「大ピンチキャンペーン」というものを行いました。他店のコーヒーショップのレシートを持参して来店するとブレンドコーヒーを半額に、もし「他店よりもマズイ」と感じたならば無料にします、というものでした。当時スタバに1000人くらい並んだみたいですけど、うちのほうにも開店前から行列ができていたりして、ありがたかったですね。
ーー「お客さんを取られるかもしれない」という焦りはなかったんですか?
村上 「大ピンチ」と口では言っていましたけど、内心はそれほどなかったですね。お店に来ていただければわかると思うんですが、スタバとは結構客層が違うんですよ。実は、どちらかというと雰囲気はコメダ珈琲さんが近いと思います(笑)。
ーー新事実です(笑)。ライバルはスタバではなくコメダ……。
村上 ライバルというにはおこがましいですけど(笑)。スタバはドリンクがメインですけど、うちは純喫茶というか、ファミレスに近いというか。食事もしてもらって、憩いの場としてゆっくりしてもらうのを想定しています。
撮影=深野未季/文藝春秋
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後編では、すなば珈琲の知られざる人気メニューや、全国展開をしない理由について聞いた。鳥取砂丘の砂を使った「砂焼きコーヒー」とは、一体……?
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