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ある高校生の声によって守られた太陽の塔は、単なる過去の遺産ではない。未来を見つめ私たちに「問い」続ける存在だ。2025年の大阪・関西万博が、この問いに対する現代からの応答となるのだろうか。
リングと静けさの森の撤去計画が、約半世紀前の万博から問われた「伝統と革新、効率と創造性という相反する価値観の調和」についての私たちへの答えなのだろうか。撤去するにせよ保存するにせよ、もう少し議論が必要なのではないだろうか。
太陽の塔が閉幕後に一転して保存が決まったように、議論する時間はまだ十分にあるはずだ。
参考文献(前編に記載がないもの)
「[EXPO人]Vol.5 空間デザイン事務所代表 忽那裕樹さん」大阪読売新聞2024年10月13日朝刊35面
「太陽の塔、愛され50年 有形文化財に 『次は世界遺産だ』」産経新聞2020年03月20日朝刊28面
「[ユメと熱情のころ](52)北大阪急行 会場線 万博行き 思い出の200日」大阪読売新聞2016年06月16日夕刊2面
清水英徳「『太陽の塔』はなぜ残った 大阪万博の謎」
瓦谷登貴子「大阪・太陽の塔、その内部は想像を遥かに超える不思議空間だった! 驚愕の見学レポート」
栗下 直也(くりした・なおや)
ライター
1980年東京都生まれ。2005年、横浜国立大学大学院博士前期課程修了。専門紙記者を経て、22年に独立。おもな著書に『人生で大切なことは泥酔に学んだ』(左右社)がある。
ライター
1980年東京都生まれ。2005年、横浜国立大学大学院博士前期課程修了。専門紙記者を経て、22年に独立。おもな著書に『人生で大切なことは泥酔に学んだ』(左右社)がある。
