暴走族のふりをしてエキストラを勧誘
緒方 スタッフは、最初は狂映舎の人たちが現場に来てくれていたりしたんですけど、すぐ誰もいなくなって、石井さんとキャメラマンの笠松則通さんと照明の手塚義治さん、あと僕の4人になりましたね。4人で全部やってるんですよ。すごいですよ。それでエキストラ100人ぐらいいたりするんですからね。そのエキストラ100人集めたりするのも僕ですから。メチャクチャですよ。当時練馬に住んでいたんですけど、夜中、環七に行ってバイク止めましたからね。当時は土曜日に暴走族の集会とかあったので、それに行って、話をつけて。俺も眉毛剃って暴走族のふりしてイェーイとか言ってるんですよね。で、「お前、誰だ」みたいな話になって。「来週の土曜日、新小岩の何とか鉄鋼にまで来てくれないか」と。それで来るって言うんだけど、来ないんですよね。途中でパクられたりして。結局、石井さんにボロクソ怒られるというね。そういうエピソードだけで2時間ぐらい話せますけど(笑)。
注釈
1)『暗くなるまで待てない!』 1975年製作の大森一樹監督の16ミリ作品。
2)『Single8』 8ミリ映画作りに熱中する高校生を描いた小中和哉監督作品。
<聞き手>こなか かずや 1963年三重県生まれ。映画監督。小学生の頃から8ミリカメラを廻し始め、数多くの自主映画を撮る。成蹊高校映画研究部、立教大学SPPなどでの自主映画制作を経て、86年『星空のむこうの国』で商業映画デビュー。97年、『ウルトラマンゼアス2 超人大戦・光と影』でウルトラシリーズ初監督。以降、監督・特技監督として映画・テレビシリーズ両方でウルトラシリーズに深く関わる。特撮、アニメーション、ドキュメンタリー、TVドラマ、劇映画で幅広く活動中。主な監督作品に、『四月怪談』(1988)、『なぞの転校生』(1998)、『ULTRAMAN』(2004)、『東京少女』(2008)、『VAMP』(2019)、『Single8』(2022)、『劇場版シルバニアファミリー フレアからのおくりもの』(2023)など。
