歓迎会での“呆れた暴れっぷり”とは

 週明け、支店長は参加者のヒアリングを始め、男性の知らないところで言動の「備忘録」が作られた。「(特定の社員に対する)『反社会的な人間に見える』などの暴言」「入社理由は『ついでに受けただけ』」「上司の名前を呼び捨てで連呼」─。会社の方針と違っても自分のやり方を通すのは当たり前、との発言もあったとされた。

歓迎会での失態のイメージ(書籍より転載、以下同)

 約1週間後、男性は転職エージェントからの電話で初めて事の重大さを知る。その後に会社から書面が届いた。「社内ルール・コンプライアンス順守を著しく軽んじる発言」「社会人としての礼節を欠いた著しく不適切な言動」などを理由に内定を取り消すと書かれていた。

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 判例で内定取り消しが認められるのは「内定当時に知り得なかった事実があった」など合理的な理由がある場合に限られる。男性側は「正常な意識下での発言ではなかった」として取り消し無効を求めて訴訟を起こした。