ニュータウンの合間を抜けて歩いていると…

 その合間を抜けてゆくと、それぞれのエリアの中心に小学校、そして「近隣センター」などと呼ばれる商店や郵便局、クリニックなどが集まった一角がある。

 

 千里ニュータウンは12の住区から構成されており、それぞれの住区は外縁を戸建て住宅ゾーンが取り囲み、その内側に府営住宅や公団住宅といった団地群や企業の社宅などが集まり、さらに中心には小学校や近隣センターが置かれる……という構造が基本になっていた。藤白台・古江台・青山台もその例に漏れない。

 
 

 ただ画一的な団地から構成されているのではなく、さまざまなバリエーションの住宅が集まっているのが、千里ニュータウンの特徴なのだ。集合住宅の中には半世紀以上が経って建て替えられたものもちらほらと。

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 建て替え後は従来よりも大きな規模のマンションに生まれ変わっていて、古い団地から戸建て、真新しいマンションまでさながら日本の住宅見本市。そういう目線で千里ニュータウンを歩いて見るのもおもしろいのかもしれない。

 

 そうはいっても、訪れたのは平日の真っ昼間。働く人や学校に通っている人はほとんどニュータウンにいなくなる時間帯だ。だから北千里の町中を歩いていても、人通りはほとんどない。

 ときおりすれ違う人がいても、だいたいすでに現役を退いているようなお年寄りばかりだ。きっと、千里ニュータウンが開発された当初から暮らしているのだろう。

 

 ところが、北千里の駅前から藤白台の中央を東に抜ける並木道には、妙に多くの若い人たちが連なって歩いていた。