このように、「動脈硬化症」と「心肥大」が悪循環となって、高齢者の血圧は知らずしらずのうちに高くなっていき、心臓への負荷も大きくなっていくのです。

 ちなみに、高血圧の治療として降圧薬が処方されることがありますが、これは高血圧によって生じる疾患の予防だけでなく、この悪循環を断ち切ることに一役買っています。ですから、降圧薬が処方された場合は、適切に服用することが重要です。

“老害”はこうやって生まれる

 ところで、歳を重ねると感情的に怒りっぽくなる場合がありますが、これも老化が影響しています。

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※写真はイメージ ©sakai000/イメージマート

 歳を重ねると、若年者に比べて人生の経験値が高まり、自信を過剰に持つようになるため、会話においても自分のことを優先しやすくなります。一方で、視力や聴力の低下がこれまで培ってきた経験や自信を低下させ、周りの話についていけない疎外感から、悪口を言われているような感覚にも陥るわけです。

 怒鳴り散らすなどして攻撃性が高まると、血管が収縮して脈拍が速くなります。いわゆる「頭に血が上る」状態ですが、動脈硬化症や心肥大がある場合は、血液がうまく循環しなくなり、心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。

 また、脳に動脈瘤が形成されていた場合、破裂することで「くも膜下出血」や「脳内出血」を発症することもあります。

 このように、感情的になって突然死する高齢者の多くは、高血圧にもとづく疾患が原因であることが多いのです。

・定期的な通院で診察を受ける。

・周囲の人は高齢者の特性を理解し、優しい言葉でテンポを遅くして会話する。

・豊富な経験を有している高齢者にリスペクトの精神を持って接する。

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