また、低下した血圧を上昇させようと心拍数が上がるため、心臓に負荷がかかり「心筋梗塞」の危険性も出てきます。

 冷水風呂に入れば、今度は強制的に血管が収縮し、脳血流が急激に増えて、「くも膜下出血」や「脳内出血」を引き起こすかもしれません。

 そのほかにも、自律神経の急激な反射によって「不整脈」を引き起こす可能性もあります。想像以上に、サウナ浴は人体に負担をかけるのです。

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「ととのう」は誤解だらけ!?

 サウナ愛好家たちはよく「ととのう」という言葉を口にします。温冷交代浴によって生じる「トランス状態」のことを指すようです。

 これが脳内で分泌される「β─エンドルフィン」「セロトニン」などの快楽物質と言われるホルモンにもとづく影響であればいいのですが、人によっては脳血流の低下によって生じる「脳虚血」をトランス状態と勘違いしているように思います。これは脳への血流が減ったことによる気絶状態です。

 もう一つ注意すべきは、飲酒してサウナ浴をすることです。

※写真はイメージ ©MichikoDesign/イメージマート

 汗をかいてお酒を抜こうとサウナ室に入ってそのまま寝てしまい、熱中症で死亡していたケースが実際にありました。

 飲酒は脱水を促進させるので、お酒を飲んだ状態では絶対にサウナ浴をしないでください。

 適度に正しく利用するなら、サウナは心身に効果があると言えます。

 しかし、「ととのう」ことにハマりすぎて不適切なサウナ浴を続け、命を落としてしまっては元も子もありません。

 サウナ浴や温冷交代浴が、人体に大なり小なり負荷をかける行為であることは間違いありません。そのため、自らの体力・体調をしっかりと考慮し、適切に楽しむことを心がけましょう。

・十分に水分を補給しながら、適度な時間で楽しむ。

・急な冷水浴を行なわない。

・飲酒してからのサウナ浴は絶対に行なわない。

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