4月1日から、レジャーでのマグロ釣りに関するルールが変更された。時事通信社水産部の川本大吾部長は「アワビやナマコの密漁は一発アウトで高額な罰金を科されるが、マグロ釣りでルールを犯して罰則を科された人はいない。現状は釣り人任せの運用になっており、実効性があるのか、疑問が残る」という――。

筆者提供 漁業だけでなくレジャーの釣りにも規制が広がるクロマグロ - 筆者提供

300キロ超えのマグロがレジャーで釣れる

4月1日から、レジャーのマグロ釣りに関するルールが変更になった。これまでは年間40トンだった上限を60トンまで引き上げられた一方、釣って持ち帰れるのは1人「毎月1匹まで」と、以前の「1日1匹まで」から大幅に制限。多くの釣り人が長い期間、マグロ釣りを楽しめるようにするための措置だという。

レジャーの釣りは「遊漁」とも呼ばれ、遊漁船やプレジャーボートに乗って海に出て大物を狙う。力を振り絞って大物を釣り上げるのは、釣り人のロマンなのだろう。

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なかでも今、「海のダイヤ」とも呼ばれるクロマグロ釣りは空前の大人気だ。新ルールが始まった4月上旬、釣り好きの女性タレントが300キロを大きく超えるマグロを釣り上げたニュースが話題となったが、このところレジャーの釣りでたくさんマグロが捕れるようになっている。ある釣り人は、「日によっては釣り始めて2~3分でヒットすることもある」と話す。

釣りをしない筆者が言うのもおこがましいが、海釣りではアジやヒラメ、イサキなど、さまざまな魚種が掛かる中で、タイなら3キロもあれば大物。出世魚のブリなら10キロサイズが掛かれば「超大物」ではないか。

その中にあって、青森・大間などの漁師さながら、300キロ超えの大物をわずかな時間で釣り上げられるとなれば、レジャーとしてのマグロ釣りが人気になるのも無理はない。

資源管理が実を結んで釣れやすくなった

マグロがよく釣れるようになった要因のひとつに、国際的な資源管理が実を結んできたことが挙げられる。日本海を含む太平洋のマグロ管理は、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)という国際機関が日本などの加盟国の漁獲をコントロールしてきた。