……と言っても、だいたい結論はわかっている。到着間際の新幹線の車窓から見る風景は、まったく一面の田園地帯なのだ。

 
 
 

 遠くの山裾にはいくつも民家が並んでいるのが見えるけれど、それとはだいぶ離れている。駅の周り、いわゆる“駅勢圏”に含まれる範囲は、大部分が田園地帯で占められているといっていい。

 実際に駅の周りを歩いてみても、車窓から抱くイメージそのままであることがすぐにわかる。新函館北斗駅は橋上の駅舎で、出入口は南北に設けられている。

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 そのうちメインとなるのは南口。南口側には駅舎内にも観光案内所やカフェなどが入っていて、さらに駅前広場もなかなか大きくよく整備されているあたりはさすが新幹線のターミナル。

 
 

 駅前広場の脇には上層がホテルになっている商業ビル(といっても下層にコンビニ兼土産物店が入っているくらい)があり、広場の向こうには天高くそびえる東横イン。

 
 
 

 その隣には郵便局があって、飲食店もふたつばかり。ただ、あとはレンタカー屋が軒を並べていたり、ボールコートやスケートパークくらいなもので、語るべきものは特に見当たらない。

 
 

 南口駅前の一帯は、新幹線開業にあわせて区画整理されたのがよくわかる。街区を区切る道路も広々と真新しくて実に走りやすそうだ。

空き地の目立つ駅前を抜けていくと…

 そして駅に近い一角を除くと、ほとんどが空き地になっている。空き地の角には「FOR SALE」と書かれた看板が立てられていた。どうやら、北斗市は新幹線にあわせて駅前を整備、企業などの誘致を目論んでいたようだ。

 

 何しろ泣く子も黙る大動脈の中の大動脈、東京に直結する新幹線のターミナル。それがわが町にやってくるのだから、気合いが入るのも無理からぬ話だ。