介護ヘルパーの資格を取るお金を稼ぎたくてキャバクラに
――高校を卒業してからはどうされたんですか。
あきぴ パティシエになりたくて、東京の製菓学科のある短大に行きました。でも短大でも人間関係がうまくいかなくて。ADHD特有なのかもしれないですけれど、思ったことをそのまま言っちゃって、相手に嫌な思いをさせちゃうことがあって。
そうすると家に帰っても「怒らせちゃったかな」とかずっと気にしちゃうんです。翌日、その人は全然話してくれなくなって、それで「やってしまった。全部、私が悪い」となって人と関わるのが怖くなっちゃって。
思い込みもあったと思うんですけど、それでつらくなって学校に行けなくなって。結局1年ぐらいで退学しました。
――退学後は山梨に帰ったんですか?
あきぴ 山梨の実家には帰らず、東京でアルバイトをしていました。そうしたら母が脳梗塞で倒れたと連絡があって。手術をするんですけど、「もしかしたら半身不随になる」と言われて。
その時、私にはお金もなくて。母の介護のために介護ヘルパーの資格も取らなきゃいけないし、お金が必要だと思ったので、東京のキャバクラで働き始めました。
――あきぴさんはお話を聞いていると、人間関係がかなり苦手だと思うのですが、その中で人と話すキャバクラの仕事は大変じゃないですか。
あきぴ 確かに。でもキャバクラって自分が社長みたいなところあるじゃないですか。
キャバクラの女同士の面倒くささは確かにあるんですけど、接客するのは男性だし、お互いの邪魔さえしなければOKという感じだったので。今思えば、普通の仕事より向いていたなとは思います。
それに頑張った分だけ売り上げが上がっていくのが面白くて。数字が上がっていくのがすごく好きなんですよ。
介護の職場でいじめに遭って「歌舞伎町の女」に
――ダイエットもそうですけど、ゲーム的に数字の変化を見るのが好きなんですね。キャバクラはいつまで?
あきぴ 介護ヘルパーの資格を取るお金を稼いで、それで介護の資格を取った後に辞めました。ただ幸いにも母は無事で、半身不随にならずに済んだんです。それで介護の仕事についたんですが、そこでかなり陰湿ないじめに遭って……。
介護の会社のお局さんに目をつけられて。私への当たりもきつかったですし、使用済みのおむつが置かれている倉庫の中で1日中、おしぼりを丸めさせられたりもしました。それって明らかにおかしいじゃないですか。さすがに嫌になって辞めました。
――それはきついですね。その後はキャバクラで働くことになったそうですが、以前と同じ店ですか?
あきぴ 違うお店ですね。歌舞伎町のキャバクラです。2年半ほどは歌舞伎町の女になりました(笑)。

