――試合後、お子さんの反応はどうだったんですか。

あきぴ 鼻は折れているし、すごい顔で帰ったから「どうしたの」となりました。次男は「僕が大きくなったら吉川桃加をボコボコにする」と言っていて、感動しちゃって。子供たちのためにも、もっと強くならなきゃなって思いました。

 だから試合の翌日から練習してました。ジムの人に怒られながら「休め」って言われたんですけど、めっちゃ悔しくて。もっとできると思っていたので。

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 吉川選手との試合が終わった瞬間に、「次の試合早く組んでください」ってお願いしたんですけど、ジムの代表に「いや待て。負けているんだし、強くなってから試合しないと意味ないでしょ」って言われて、確かにと思って。

 

「寝技のあきぴ」が「打撃のせりな」を制した

――そしてMMA2戦目は今年3月23日でした。対戦相手の怪我によって、急遽相手はせりな選手となりました。せりな選手は朝倉未来選手が所属する「JAPAN TOP TEAM」の選手でした。

あきぴ 未来選手のファンの方は熱心で、ケラモフ戦の予想で嫌われてるのもあって「あのババアがせりなに負ける姿が楽しみだ」とかめちゃくちゃ言われてましたね。

 格闘技って見てもらえてなんぼのところがあるけど、私の心はそんなに強くないんで、やっぱりいちいち傷つきます。

――しかも、せりな選手は空手チャンピオンです。前回打撃で鼻を折られたあきぴさんにとっては、打撃の恐怖とも戦わないといけない。

あきぴ そうなんですよ。だから怖かったです。「DEEP」側としたら、寝技VS打撃の方が話題性もあるし、試合としては楽しいじゃないですか。だから組んだんでしょうね。

――事前の対策は?

あきぴ サウスポーだったので、サウスポー対策のアドバイスをもらいました。あと相手の距離になっちゃダメだから、距離を詰めてタックルする。「打撃には絶対に付き合うな」「とにかく寝かせろ。寝かせれば絶対に勝てるから」と言われてました。

 

――試合はあきぴさんがケージに押し込んで、せりな選手からテイクダウンを奪い、最後は倒したせりな選手の背後からリア・ネイキド・チョーク(裸絞め)で一本勝ちします。

あきぴ 絞めているときは本当に怖かったですね。「ここで逃したら、またスタンディングになって殴られる。決まれ」って。普段は男性の方が練習相手になることが多いんですが、女性の首って細いんですよ。だからチョークが決まっている感覚がなくて。お願いだから、決まってという感じでした。