佐藤和俊七段(46)が、順位戦C級1組での激闘を経てB級2組への昇級を果たした。2連敗から7連勝という劇的な展開で昇級を決めた経緯や、奨励会時代のエピソード、さらには多彩な趣味や特技についても聞いた。

佐藤和俊七段

“2連敗からの7連勝”で昇級を掴んだ46歳

――順位戦B級2組への昇級おめでとうございます。昇級が決まってからしばらく経ちましたが、現在のお気持ちは?

佐藤 順位戦のあと、3月の半ばに1局指して、それが年度末最後の対局でした。1つの区切りということもあって、のんびりしていましたね。その間「おめでとう」と言っていただく機会はたくさんありまして、改めてうれしさというか、昇級したことを意識しました。

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――6期所属した、C級1組にはどのような印象をお持ちですか。

佐藤 20代の若手からベテランまで、バランスよくメンバーが分かれている印象があります。自分の年になってくると、若手とやるのはきついなと思う面もありますが、逆に自分より上の世代との対局もベテランの戦い上手に苦労したというか、どなたとやっても大変でしたね。

――前期順位戦が開幕した時点では、なにかそうした予感めいたものは……。

佐藤 もちろん順位戦を指す以上、昇級を目標とはしていますが、自身の成績が伸びていたわけではないので、現実的に昇級を考えていたかというとそうでもありません。ただ、チャンスがある展開にしたいとは常に思っています。順位戦が開幕すると気持ちは引き締まりますが、最初の1、2回戦でスタートを決めないと、昇級を目指すには厳しいですね。

――「スタートを……」ということですが、前期の順位戦は初戦を勝った後に2連敗を喫しています。

佐藤 その時点では上がることは全然考えてなく、むしろ降級点のほうを心配しました。

――そこから7連勝で、昇級に結びつけました。

佐藤 昇級を初めて意識したのは黒田(尭之)五段との7回戦を大逆転で勝った時ですね。この7回戦では競争相手がかなり崩れたので、だいぶ差が縮まりました。それでもまだ10番手くらいだったと思いますが(※筆者注、8番手)、残り3局を全部勝てばチャンスはありそうな気がしていました。でも、まず自分が3つ勝つのも大変ですし、勝っても頭ハネが濃厚かとも思っていました。