「17歳でデビューしなきゃ!」
幾田 その子も「曲をプレゼントされるのって初めて!」ってすごく喜んでくれました。本格的に曲をつくり始めたのは中学校3年生ぐらいからですね。その頃、「歌手になる夢を叶えるにはもう動きださなきゃいけない!」とふと思って。私が好きだったYUIさんや、家入レオさん、大原櫻子さんが皆さん17歳でデビューされていたんですよ。
阿川 ハア〜。
幾田 だから自分も「17歳でデビューしなきゃ!」という気持ちがあって、15歳のとき、まだ一歩も踏み出していないことに焦り始めたんですね。そこから事務所のオーディションをたくさん受け始めたんですが、なかなか拾われることはなく。それこそ今所属しているソニーミュージックも受けたんですけど、難しくて。でも、その悔しさをバネにして、ライブ活動を始めるんです。ライブハウスを回ったり、路上ライブもやって。
阿川 そうそう、路上ライブもしてたんですよね。『Sketch』にも「吉祥寺」という曲があるけど、吉祥寺駅の前でライブしてたの?
幾田 そうですね。井の頭公園だったり、サンロードっていう商店街でやったり。夜は危ないので、母が見守っていてくれたこともあります。「知らないふりするから、観に行かせて」と言われて。
阿川 わざと大きく拍手して、「上手!」とか言ったりして(笑)。
幾田 実際、やってくれてましたね(笑)。当時は20曲ぐらい持ち歌があって、そこにカバー曲も混ぜて歌っていました。自分がやってることに自信はあったんですけれど、それを評価されない日々が高校3年生くらいまで続いたので……。
阿川 その若さで、中3から高3は長いよねえ。
幾田 その時期は永遠に感じて、ほんとに辛かったです。
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現在配信中の『週刊文春 電子版』および4月24日発売の『週刊文春』では、幾田りらが阿川佐和子に語った幼少期のエピソードや、デビューまでの苦労、透き通るような歌声の誕生秘話を読むことができる。

