非常にタイトな乗り換え
県のHPでは、佐川駅に午前11時54分着と紹介されていたが、2025年3月15日のダイヤ改正で56分着に変更された。出発時刻は変わらないのに、到着が2分遅くなったのだ。しかも、この日は3分遅れて59分に着いた。
路線バスの出発は午後0時5分。県の当初の想定では11分の乗り換え時間があったのに、既に6分しかなくなっていた。
女性が焦っていた理由とは…
列車から下りる客が結構いる。ワンマンなので車両の出口へぞろぞろと向かう。両替する人もいて、なかなか進まない。背中を押されている気がして振り向くと、娘を連れた女性だった。
残念ながら、前が詰まっていて押されても進めない。しかし、なぜそうまでして早く出たかったのか、理由は直後に分かる。
女性は列車を出ると、娘の手を引いて駆け出した。
佐川駅にはホームが二つあり、到着したのは駅舎とは反対側だ。駅を出るには線路を渡らなければならない。跨線橋はなく、線路に下りる「構内踏切」の方式だった。
女性が線路を駆け足で渡ると、ワンマン列車が警笛を鳴らして動き始めた。出遅れた私はホームに取り残され、列車がゆっくり通り過ぎるのを待つしかない。
やや焦る気持ちが出てきた。路線バスの出発時刻まで、あと3分しかなくなっていた。
佐川町は、『牧野富太郎博士』の故郷
この駅がある佐川町は、NHKの朝の連続ドラマ「らんまん」のモデルになった植物学者、牧野富太郎博士の故郷だ。ホームの駅名板には牧野博士の鞄から花があふれるデザインがほどこされ、待合室には博士のコーナーもある。
町内には辛口の清酒で知られる司牡丹(つかさぼたん)酒造があり、ホームには「酒まつり」のぼんぼりが下げられていた。
ゆっくり見ている暇はない。トイレにさえ行けない。



