2種類の町営バス
後に分かるのだが、仁淀川町は2種類の町営バスを走らせていたのだった。
全国的にコミュニティバスと呼ばれているのと同じタイプは「町民バス」だ。日曜日は全便運休で、曜日によって走らない便もあるが、10路線をそれぞれ1日に2~3往復ほど運行している。県の「コミバス旅」もこちらで設定されていた。
もう一つ、「コミュニティバス」という名称のバスがある。こちらもコミュニティバスではあるのだが、「町民バス」がフォローできないような奥地からでも出て来られるよう、町内各地区で週に1往復程度走っている。
この日はちょうど週に1度の「北川」行き運行日だった。そのため、こちらに乗ってしまったのだが「北川」行きも「中津渓谷」までは同じルートを走るので、下ろしてくれたのだった。
後でダイヤを確認すると、コミュニティバスは午後0時37分に大崎発。町民バスはそれから14分後の午後0時51分発。
運転手の職業意識の高さに驚かされる。
「コミュニティバスと町民バスは運行を委託している会社が違います。でも、お互いにダイヤを把握しているので、町民バスの運転手が『今日はコミュニティバスが運行するから、そっちに乗った方が早く着く』と教えてくれたのでしょう」と仁淀川町役場の担当職員は話していた。
町民バスは全10路線、コミュニティバスは全29路線。他社運行の時刻まで頭に入れているというのだから運転手の職業意識の高さには驚かされる。
「コミバス旅」は最後の最後で県の設定から外れてしまったが、「町民バス」も「コミュニティバス」も大括りにはコミュニティバスだから、いいとしよう。
バス旅にはドタバタがつきものだ。
片道の交通費はJR630円、黒岩観光バス790円、仁淀川町営バス200円だった。
撮影 葉上太郎
