プロ野球ファンなら誰しも「自分が考える最強のベストナイン」を妄想したことがあるはず。数あるプロ野球選手たちの「苗字」別にベストナインを組んだらどうなるのか。『野球の記録で話したい』(広尾晃著、新潮社)から一部抜粋し、お届けする。(全2回の1回目/続きを読む

「史上最強の右打者」の一人、山本浩二は3番に……では4番は誰? ©文藝春秋

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 断言するが、日本プロ野球最強の「名前」は山本だ。実に強力な顔ぶれが並んでいる。

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 1番にドラキュラと言われた個性派外野手の山本和範、近鉄に入団するもいったん戦力外となり、近所のバッティングセンターでアルバイトをしていたが南海に呼び戻された。筆者は電話でインタビューしたことがあるが、珍エピソードの宝庫みたいな人だった。

 2番に中日、近鉄の堅実な二塁手、山本静雄、そして3番はNPB史上最強の右打者の1人、ミスター赤ヘル山本浩二。打撃に加え、中堅手としても抜群の守備範囲と強肩を誇った。後に広島の監督。