苗字別“最強チーム”の4番は「南海のドン」

 4番は南海のドン、山本(鶴岡)一人、3塁手としてMVPもとった。この人も広島出身だ。

4番を打つのは「南海のドン」こと山本(鶴岡)一人。監督もこの人。 ©文藝春秋

 5番は浩二と共に赤ヘル軍団の中軸を打った左打者の山本一義、6番に山本浩二と同時期で広島では「こうじのにせものー!」と呼ばれた左の強打者、山本功児、7番指名打者には東映で土橋正幸の球を受けていた強打の捕手山本八郎。

 8番捕手は阪神で大投手小山正明の相方だった山本哲也。この選手欄の一番下にある山本公士は哲也の弟。外野手で一度も規定打席に達していないが1966年に盗塁王になっている。9番遊撃手は戦前、好守で鳴らした山本尚敏。俊足でもあった。

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 監督は文句なしに山本(鶴岡)一人。何しろプロ野球最多の1773勝、勝率.609も史上最高だ。この打線をみて「えっ」と思った人は大学野球通だろう。2番の静雄、3番浩二、4番一人、5番一義、6番功児は、全員「法政大学出」なのだ。法政大学は「山本姓」の強打者の宝庫だった。プロ野球のスカウトはプレーを見なくても法政大学の「山本」をマークすべきかもしれない。