ロケーション抜群な「芝山千代田」のホームに降り立つ。フェンスの向こうには…

 そして、東成田駅からひと駅だけ乗った先にあるのが芝山千代田駅だ。東成田駅は地下にあるけれど、電車に乗って少しすると地上に、さらに高架へと駆け上ったところで芝山千代田駅に到着する。

 

 空港の敷地とA滑走路から飛び立つ飛行機が間近に見える、なかなかロケーションの優れたホームだ。ただし、やってきた電車がそのまま折り返していくだけだから、1面1線、最もシンプルな構造のホームでもある。

 高架のホームから階下に降りる。空港の敷地と高架の線路の間には道路が通っている。道路の向こうにはフェンスが張られていて、どうやら空港敷地との間を隔てているようだ。

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 といっても、そのフェンスの向こう側も公道の一部。路線バスなどはそこを通っているし、近くの空港関係ビルもフェンスの向こう。そことは地下通路で繋がっていて、時折行き来する人の姿もあった。

 

 フェンス沿い、つまり空港の敷地に沿った道をさらに歩いてゆくと、ANAやJALの整備施設のようなものが見えたり、大きなトラックが盛んに行き交っていたりして、この一帯も空港に紐付くエリアなのだということがよくわかる。

 

 芝山千代田駅から少し先にはコンビニもあって、空港関係者と思しき人たちが昼食を買っていた。さらに奥には物流倉庫のようなものもあり、空港内には貨物や整備のエリアがあるようだ。

 こうしたことから考えると、芝山千代田駅もその本質は東成田駅とほぼ同じ。空港利用者(つまり飛行機のお客)には無縁でも、空港関係者にとっては通勤に欠かせない駅なのだろう。

「芝山千代田」の“空港駅じゃない方の顔”

 が、さすがにそれで終わっては尻切れトンボにもほどがある。芝山千代田駅があるのは千葉県山武郡芝山町と成田市の境界あたり。芝山町内にある駅は芝山千代田駅だけだから、町の玄関口という役割も持っている。

 その証拠というべきか、駅の北側(つまり空港敷地とは反対側)にはロータリーがあって、客待ちをしているタクシーもあった。バス乗り場もいくつか設けられていて、どうやら芝山町内のあちこちへと通じる路線バスが出ているらしい。