「3日後に専門学校のAO入試を控えていた」女子高生が、乃木坂46に加入するまでの経緯

――2011年8月には、乃木坂46の1期生に合格しました。

斉藤 最初は「絶対に落ちる」と思っていました。でも、次々と選考が進んでいって、だんだんと現実味が増していったんです。AKB48さんの握手会に誘ってくれた友だちにも最終選考まで内緒にしていて、伝えたときはびっくりしてましたね。

 合格者の番号が呼ばれる最終選考では、私の順番が来るまでにそれなりの人数が呼ばれていたので、飛ばされると思っていたら呼ばれたのでビックリして。その3日後に専門学校のAO入試を控えていたし「どうしたらいいんだろう……」と動揺していました(笑)。

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――高校時代、アイドルは将来の選択肢になかったんですね。

斉藤 はい。普通に進学して、就職して……と、将来を描いていたんです。進路決定の時期だったので、リアルに「生計は立てられるのかな」とも考えました。高校で先生に「アイドルになるので、進学をやめました」と伝えたら困っていたし、親が一般的な職業で、芸能経験のある友だちもいなかったので、加入後も「全然わかんない世界に来ちゃった」という感じでした。

――勢いで受けたオーディションをきっかけに「全然わかんない世界」に入って、生活もガラッと変わったと思います。

斉藤 そうですね。加入直後は週に数日、放課後にボイストレーニングやダンスレッスンがあったんです。当時、アルバイト先の店長に「やめさせてください」と急な連絡をしたら驚いていて、グループの認知度がなかった時期の連絡だったので、印象はよくなかったかもしれません(笑)。

「1期生だったのでなじみやすかった」乃木坂46加入後の心境

――(笑)。大所帯の環境には、すぐなじめましたか?

斉藤 初期はみんなの様子をうかがっていました。年齢制限のない部活のようで、関わり方が難しかったんです。私は歌もダンスも未経験だったし、経験豊富なメンバーもいたので、ずっと敬語でしゃべり続けるべきかとも考えていました。

 でも、同期の中に「みんな、タメ語でしゃべろう」と言ってくれた子がいたんです。他のメンバーとどれほど仲よくなれるかでパフォーマンスも変わると考えていたし、救われました。あと、1期生だったのでなじみやすかったのも、あったとは思います。

――結成メンバーなので、空気感も決まっていなかったでしょうし。

斉藤 そうですね。2期生や3期生のオーディションだったら、応募していなかったと思います。できあがったコミュニティに入り込むのは、難しいじゃないですか。じつは、乃木坂46のオーディションを受けた当時、AKB48さんの13期生オーディションもお母さんにすすめられたんですけど「できた輪に入るのはちょっと……」と思って、あきらめました。

 

――新たな環境にも慣れて、アイドルとしての実感も増していったんでしょうか?

斉藤 少しずつ、です。最初に強く実感したのは、乃木坂46のデビューシングル表題曲「ぐるぐるカーテン」をサプライズ披露した、AKB48さんのライブでした。会場がTOKYO DOME CITY HALLで、人生初の大きなステージで緊張したのも覚えています。でも、同期のメンバーが多いのは心強かったです。