アイドル界ではグループ所属の前歴を“前世”と呼び、他のグループで再び活動するのを“転生”と呼ぶ。ライブ配信界でトップライバーとして活動する斉藤優里さん(31)も“前世”があり“転生”したアイドルだ。

 18~25歳の約8年は、超メジャーグループ・乃木坂46で活動。フリーランスも経てライバーへと転身し、再びアイドルのステージに戻った背景とは。(全3回の3回目/1回目から読む)

斉藤優里さん ©深野未季/文藝春秋

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ライバー転身後、DMで「もう推すのをやめます」と言われたことも…

――2023年1月からはライバーとして活躍。当初「元乃木坂46」の肩書きを使わずに活動をスタートしましたが、なかには、気づくリスナーさんもいたのではないですか?

斉藤優里(以下、斉藤) たくさんいました。Instagramでの反応が多かったですね。ライバーは「楽して稼いでいる」というイメージもあるみたいで「ライバーになってほしくなかった」という声もあったし、別の仕事を「続けてほしかった」とも言われました。

――続けてほしかったと言われた「別の仕事」とは?

斉藤 一時期、アパレルブランドとのコラボレーションで洋服もプロデュースしていたので「優里ちゃんには洋服を作っていてほしかった」と言われたんです。でも、「それだけでは生活できないし、生きていけないからライバーやってるんだよ!」と思っていました。

 理想を押し付けられるのは不思議ですし「こういう人になってほしかった」と言われても、生活を支えてもらえるわけではないし、と考えてしまいます。

――ライバーとしては現在、どれほどの収入があるんでしょう……?

斉藤 過去のアイドル時代と同じぐらいは稼いでいます。でも、けっして楽ではないんです。ライブ配信後には応援してくれるリスナーさん向けの特典を作ったり、事務作業を誰かに任せるわけにはいかないので、すべて自分でやっています。

 それを知らずに「楽して稼いでいる」とは言われたくないし、先入観からInstagramのDMで「もう推すのをやめます」と言われるのは悲しいので、ライバーのイメージを変えられればと思っています。

 

「どうしてもやってほしい」ゆうこすの後押しでアイドル活動を再開

――それほどの情熱をかけるライバーの仕事をきっかけに、2025年3月にはInstagramで「またアイドルやってるんです!」と明かしました。31歳の現在、所属するライバーマネジメント事務所「321」発のアイドルグループ「PALE TULLE」の1期生としても活動しています。

斉藤 過去に一度「引退」と発表してしまった手前、難しいとも思ったんです。でも、その言葉に縛られていたら表舞台の仕事は何にもできないし、最初はためらっていたけど「どうしてもやってほしい」と代表のゆうこす(元HKT48の菅本裕子)さんが後押ししてくださったので、思い切って決断できました。