アイドル界ではグループ所属の前歴を“前世”と呼び、他のグループで再び活動するのを“転生”と呼ぶ。ライブ配信界でトップライバーとして活動する斉藤優里さん(31)も“前世”があり“転生”したアイドルだ。
約8年を過ごした超メジャーグループ・乃木坂46を25歳で卒業。その後、27歳で当時の所属事務所を退所し、フリーランスを経てライバーとなった軌跡とは。再びアイドルのステージに返り咲くまでの“空白期間”に迫った。(全3回の2回目/3回目に続く)
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「私もそろそろかな」乃木坂46卒業前の心情
――乃木坂46の活動を終了したのは2019年6月で、当時は25歳でした。
斉藤優里(以下、斉藤) 同期が卒業していくのを見て「私もそろそろかな」と思ったんです。当時、アイドルは「25歳で卒業」のような風潮もあったし、結成からの時間を一緒に過ごしてきた同期のメンバーがいるうちに、見送ってほしい気持ちもありました。
――具体的なきっかけがあったというより、周囲の空気に後押しされたんですね。
斉藤 そうですね。一番はやっぱり年齢で、アイドルは長く続けられないし「次のキャリアに進めたら」と考えたんです。あと、約8年の活動を経て、いったん休みたいのもありました。加入当時は高校3年生だったので、同世代の子たちが大学で経験するような青春の思い出もなかったし、自分の時間を作りたい気持ちもあったんです。
「友だちと旅行へ行ったり…」卒業後は仕事もプライベートも充実
――たくさんのステージをこなしたり、アイドルは忙しい印象もありますし。
斉藤 急に仕事の予定が入るときもあって、友だちと予定を立てても「ゴメン、行けなくなった」と断る日もあったんです。それに、地元の友だちと出かけるとなると、万が一、芸能人として誤解を生むニュースが流れてしまえば、友だちもとばっちりを受けてしまうし、「周りに迷惑をかけてしまうかもしれない」という不安もありました。