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これはコアターゲットを子供ではなく大人にしているからです。顧客を掴んで離さないために、キャラクターを成長(時には堕落)させ、変化をつけているのです。
これに対し、アンパンマンは卒業ありきの「学校型」と表現できます。アンパンマンは、ターゲットを子供(0歳半から4歳)とその保護者と決めている。むしろ、そこをずらしてはダメなんです。
今だったら、かつてやなせたかしが描いた大人向けアンパンマンのアニメ化もありえそうですが、彼は結局亡くなるまでそれをしませんでした。
その結果が、3歳までに誰もがアンパンマンを通り、累計6兆円、毎年1500億円規模のキャラクタービジネスを生んだのです。あえて時代に応じて変えることなく、徹底的に守り続けたからこそ、アンパンマンは今でも多くの子供とその親の心をつかみ続けているのです。
柳瀬 博一(やなせ・ひろいち)
東京科学大学リベラルアーツ研究教育院 教授
1964年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日経マグロウヒル社(現・日経BP社)に入社。「日経ビジネス」記者、単行本編集、「日経ビジネスオンライン」プロデューサーを務める。2018年より東京工業大学(現・東京科学大学)リベラルアーツ研究教育院教授。『国道16号線――「日本」を創った道』(新潮社)で手島精一記念研究賞を受賞。他の著書に『親父の納棺』(幻冬舎)、『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』(小林弘人共著、晶文社)、『「奇跡の自然」の守りかた』(岸由二共著、ちくまプリマ―新書)、『混ぜる教育』(崎谷実穂共著、日経BP社)がある。
東京科学大学リベラルアーツ研究教育院 教授
1964年、静岡県浜松市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日経マグロウヒル社(現・日経BP社)に入社。「日経ビジネス」記者、単行本編集、「日経ビジネスオンライン」プロデューサーを務める。2018年より東京工業大学(現・東京科学大学)リベラルアーツ研究教育院教授。『国道16号線――「日本」を創った道』(新潮社)で手島精一記念研究賞を受賞。他の著書に『親父の納棺』(幻冬舎)、『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』(小林弘人共著、晶文社)、『「奇跡の自然」の守りかた』(岸由二共著、ちくまプリマ―新書)、『混ぜる教育』(崎谷実穂共著、日経BP社)がある。
